介護の現場でよくある薬のトラブルの対応策

介護施設にいる利用者は、日常生活を送ることに支障をきたしている人が少なくない。そのため、介護を必要としない高齢者と比べて、薬に関してのトラブルも多い傾向にある。介護の現場で多く聞かれるのが、薬の誤嚥と誤飲だ。誤嚥とは唾液や食べ物などが気管に入ってしまうことで、飲んだ薬が気管に入ってしまうこともあるため注意が必要である。高齢者になると飲み込む力も衰えてきて、誤嚥につながりやすくなるのだ。薬の誤飲とは、本来飲むべきではない薬を飲んでしまうことや、錠剤やカプセルを包装シートのまま誤って飲んでしまうことなどをいう。包装シートごと薬を飲んでしまった場合は、腹痛などの症状が出るまで気が付かないケースが多い。続いて多く見られるトラブルとしては、薬の飲み忘れと服用時間・回数の間違いが挙げられる。薬には食前・食間・食後など指示された服用時間があり、薬によっては服用時間や回数を間違えることで命に関わる事態に発展してしまう可能性もあるのだ。

そのほか、薬の副作用や複数の薬を飲むことによる相互作用によって、体調の異変などを起こすトラブルもある。介護の現場での薬のトラブルを防ぐ対策として、まずは介護職員が担当する利用者の薬に関してしっかりと理解しておくことが大切だ。そして、薬の誤嚥を防ぐための工夫も大切である。例えば、口の中の乾きをチェックし、乾いているようなら薬を飲ませる前に水や濡らしたガーゼで口の中を湿らせてから飲ませるようにする。カプセルや錠剤のままでは飲みづらいようなら、服薬ゼリーなども利用するとスムーズに行くだろう。