介護現場における「ヒヤリハット」とは、何らかのトラブルが起きて、事故にはならなかったが、一歩間違えれば、大きな事故につながっていた恐れがあることだ。介護現場では、多くの利用者が生活するため、ちょっとしたトラブルも大きな事故につながりやすい。そのため、事故を予防するために、小さなトラブルにも日々、気を配る余裕や、観察眼が必要だ。
「ヒヤリハット」は、その要因となるものが、3パターンある。まず、本人が要因となるタイプだ。利用者の健康状態や必要な支援は人それぞれ異なるので、スタッフは、一人一人の状況を把握しながら、スタッフ同士も絶えず注意点を確認し合うことが必要となる。次に、介護を提供する側が要因となるタイプがある。介護は、1年365日、1日24時間休みなく続くものだ。スタッフの疲労やストレスがたまると、サービスの低下につながり、事故が起こりやすくなってしまう。そのため、集中力低下をいかに防ぐかが、事故予防につながり、スタッフ同士の連携や協力が大前提となる。更に、介護が行われる環境が要因となるパターンがある。例えば、施設の廊下が滑りやすくなっていて、転倒してしまったり、手すりをうまくつかむことができずに、倒れてしまったり、ちょっとしたきっかけが思わぬ事故につながりかねない。ヒヤリハットがどんな場所で起こりやすいかを考え、スタッフ同士で意見交換をすることも重要だ。また、環境の整備を常に心がける必要がある。